設備監視ソリューションProduce by イージーメジャー

コラム

WASABI

化学プラントの安定稼働を支える ― 設備診断に最適な振動監視システム

化学プラントにおける設備診断の重要性

化学プラントは、高温・高圧での運転や危険物質の取り扱いが多く、設備の故障や劣化が火災、爆発、有害物質の漏洩といった重大事故に直結するリスクがあります。設備の突然の故障は、プラントの緊急停止(ダウンタイム)を引き起こし、生産計画の遅延と多大な経済的損失に繋がります。

こうした状況の中で、「常時監視による早期異常検知」の重要性が高まっています。振動データを活用した設備診断は、突発故障の未然防止や計画保全の実現に欠かせない手段となっています。

化学プラントでは、原料の輸送、反応、分離、精製といったプロセスを実行するために、多種多様な機械設備が使用されています。

■ ポンプ (遠心ポンプ、往復ポンプなど)
軸受摩耗、アンバランス、ミスアライメント
■コンプレッサー (圧縮機)
ミスアライメント、アンバランス、軸受損傷
■ブロワー・ファン
アンバランス(羽根への異物付着、腐食・摩耗)、ベアリングの損傷
■攪拌機
軸の振れ(偏心)、シール部の異常、基礎の緩み(ガタ)

これらの設備はどれも「停止できない機械」であり、予期せぬ異常をいかに早く検知するかが、安定操業と安全確保の鍵を握っています。

振動監視システムが果たす役割

設備の異常は、目に見える不具合が現れる前に「振動」という形で兆候が表れます。
振動監視システムは、このわずかな変化を常時モニタリングし、異常を早期に発見することで突発停止を未然に防ぎます。さらに、取得したデータをもとに機械の劣化傾向を数値化し、予知保全・計画保全の実現を支援します。

■微小な異常の検知
軸受やモーターの“わずかな振動変化”を捉え、劣化初期段階で警告。
■突発停止の防止
異常が大きくなる前に対応できるため、生産ラインの停止リスクを軽減。
■点検作業の省力化
人手による巡回点検を減らし、リモート監視で効率的な保守を実現。
■熟練技術者不足への対応
データによる“見える化”で、経験に依存しない診断を可能に。

異常の初期段階での検出
巡回点検作業の軽減

無線振動監視システム【WASABI】

無線振動監視システム(WASABI)は、プラントの各機器の加速度・速度信号を無線通信により遠隔でモニタリングするシステムです。従来の巡回点検作業に代わる振動監視システムになります。プラントでの使用を考慮し通信距離500m以上の長距離無線機を採用すると共に、更なる通信距離の延長の為の中継機も準備しました。当社が得意とするセンサ信号処理・無線及び電池の低消費制御の技術を駆使して開発。子機は、加速度と温度のセンサを内蔵、市販電池で 長時間使用が可能です。

化学プラント環境に適した監視システム


■防爆認証を取得
石油や化学薬品の使用または製造・精製するプラント​での使用を考慮し、親機・子機共に防爆認証を取得。

■広範囲・大規模システムに対応
1グループ(親機1台-子機最大1,200台)、最大15グループまで接続が可能。見通し500mの無線通信可能なLoRa無線機を採用。また、最大2段までの中継器による通信距離の延長により、広いエリアでも使用が可能。

■電池で長寿命化を実現
当社が得意とするセンサ信号処理・無線及び電池の低消費制御技術を駆使し、子機は最大10年間の運用が可能。

■設置が簡単
現場作業を行う担当者が設置しやすいことを考慮し、平面磁石・曲面磁石・ネジ・接着剤による固定などを準備。

■異常初期段階での検出が可能
アンバランス・ミスアライメント等の異常現象が現れる振動周波数5-1KHz帯域と軸受(ベアリング)の異常が現れる1K-10KHzまでの周波数帯域のピーク値と実効値をそれぞれ検出し、異常の早期発見と傾向監視が可能。

導入相談・デモのご案内

化学プラントなどの大規模・防爆環境での設備診断に最適な無線式振動監視システム「WASABI」。現場の使いやすさを追求したシンプルな設計で、設置から運用までスムーズに導入できます。「実際の使い勝手を確かめてみたい」という方のために、デモ機の貸出を実施中です。通信性能やデータの見え方など、導入前に安心してご確認いただけます。

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