近年、貯炭場、バイオマス燃料置場、産業廃棄物処理施設などでは、温度上昇による自然発火リスクへの対策が重要視されています。
しかし実際の現場では、
・配線工事が難しい
・監視ポイントが広範囲
・電源確保が困難
・屋外環境で通信が不安定
といった理由から、従来の有線式温度監視では導入・運用に課題がありました。そこで注目されているのが、920MHz帯LoRa通信を活用した無線式遠隔温度監視システムです。LoRaは長距離通信と低消費電力を両立できる無線技術として、近年さまざまな産業用途で採用が進んでいます。本記事では、LoRa通信の特徴や、温度監視システムに適している理由、導入メリットについて解説します。
LoRaとは?
LoRa(ローラ)とは、「Long Range(長距離)」の略称で、IoT機器向けに開発された長距離無線通信技術です。少ない電力消費で遠距離通信を実現できることが大きな特長であり、近年では工場、インフラ設備、農業、環境監視など、さまざまな分野で活用が進んでいます。一般的な無線通信として知られるWi-FiやBluetoothは、高速通信に優れている一方で、通信距離が比較的短く、消費電力も大きいという特徴があります。
そのため、広い敷地や屋外環境での常時監視には不向きなケースもあります。
一方、LoRaは920MHz帯を利用することで、障害物に強く、長距離通信を安定して行える点が特長です。
さらに低消費電力設計のため、電池駆動でも長期間運用しやすく、配線工事が難しい場所や電源確保が困難な現場でも導入しやすいというメリットがあります。
特に温度監視システムでは、
・広い敷地内の複数ポイント監視
・屋外設備の遠隔監視
・配線工事削減
・巡回業務の省人化
などの用途でLoRa通信が活用されています。
貯炭場やバイオマス燃料置場、産業廃棄物処理施設など、“広範囲かつ常時監視が必要な現場”において、LoRaは非常に相性の良い通信技術と言えます。
なぜ920MHz帯が温度監視に向いているのか?
温度監視システムでは、「どれだけ安定してデータを送れるか」が非常に重要になります。
特に、貯炭場やバイオマス燃料置場、工場ヤードなどの広い現場では、通信距離や障害物の影響が大きな課題になります。そこで注目されているのが、920MHz帯を利用した無線通信です。
920MHz帯は、Wi-Fiなどで利用される高周波帯と比較して、障害物に強く、遠距離でも通信が安定しやすいという特長があります。
壁や設備、屋外構造物などが多い環境でも電波が届きやすいため、工場設備や屋外監視用途に適しています。
さらに、920MHz帯を利用したLoRa通信は、低消費電力で長距離通信が可能です。
そのため、電池駆動の温度監視システムでも長期間運用しやすく、配線工事が難しい現場でも導入しやすいメリットがあります。
一般的な無線通信との違いを簡単に比較すると、以下のような特徴があります。
| 通信方式 | 特長 |
| Wi-Fi | 高速通信が可能だが通信距離は短め、消費電流が大きい |
| Bluetooth | 近距離通信向け |
| 920MHz LoRa | 長距離通信・低消費電力に強い |
またBluetoothは近距離通信を前提としているため、監視範囲が広い現場では利用が難しくなります。
一方、920MHz帯LoRaは、
・広範囲をカバーしやすい
・配線不要で導入しやすい
・電池運用に適している
・屋外監視に強い
といった特長があり、温度監視システムとの相性が非常に良い通信方式と言えます。
特に、常時監視が求められる現場では、「通信が安定して届く」という点が、安全対策や異常検知の信頼性にも直結します。
そのため、920MHz帯LoRaは近年、さまざまな産業用途の遠隔監視システムで採用が進んでいます。
長距離通信が必要になる現場とは?
LoRaを活用した長距離無線通信は、特に「広い現場」や「配線工事が難しい現場」で大きな効果を発揮します。
温度監視が必要な現場では、監視ポイントが広範囲に点在しているケースも多く、有線方式では配線コストや施工負担が大きくなることがあります。
そのため、長距離通信が可能な無線式温度監視システムは、さまざまな産業現場で導入が進んでいます。
■貯炭場の温度監視
貯炭場では、石炭が大量に堆積されるため、内部で熱が蓄積し自然発火につながるリスクがあります。
特に広大な敷地では、複数箇所に温度監視ポイントを設置する必要があり、有線での対応が難しいケースも少なくありません。
LoRaによる長距離通信を活用することで、離れた場所に設置したセンサーの温度データを遠隔で収集でき、広範囲の監視を効率的に行えます。
■バイオマス燃料置場の温度監視
木質チップやバイオマス燃料は、発酵や蓄熱によって内部温度が上昇する場合があります。
特に屋外の大型ヤードでは、日常的な巡回だけでは異常の早期発見が難しく、継続的な温度監視が重要になります。
無線式温度監視システムであれば、配線工事なしで広い敷地へ柔軟にセンサーを配置できるため、屋外監視との相性が非常に良い点が特長です。
■産業廃棄物処理場の温度監視
産業廃棄物処理場では、廃棄物の種類や保管状況によって内部温度が上昇するケースがあります。
異常発熱を早期に検知できなければ、発煙・火災などの重大事故につながる可能性もあります。
そのため、24時間の継続監視や遠隔監視ニーズが高く、長距離通信が可能なLoRa温度監視システムが活用されています。
■広い現場ほど「無線化」のメリットが大きい
このように、
・広範囲に監視ポイントがある
・屋外設置が多い
・電源や配線工事が難しい
・常時監視が必要
といった現場では、長距離無線通信のメリットが非常に大きくなります。
920MHz帯LoRaを活用した温度監視システムは、こうした現場の「監視負担軽減」と「安全性向上」を両立する仕組みとして注目されています。
イージーメジャー「WTM」の特長
こうした広範囲の温度監視ニーズに対応するシステムとして、イージーメジャーの無線式温度監視システム「WTM」があります。WTMは、920MHz帯LoRa通信を採用した長距離無線型の温度監視システムであり、屋外や広大な現場でも安定した温度監視を実現できる点が大きな特長です。
■920MHz帯LoRa採用による長距離通信
WTMは920MHz帯LoRa通信を採用しており、市街地環境でも500m以上の通信が可能です。
障害物の多い工場や屋外ヤードでも安定した通信を行いやすく、広範囲の温度監視に適しています。
また、配線工事が不要なため、監視ポイントの追加やレイアウト変更にも柔軟に対応できます。
■最大30台の子機を一括監視
1台の親機で最大30台の子機を監視できるため、大規模設備や広い敷地でも効率的な温度管理が可能です。貯炭場やバイオマス燃料置場のように、複数箇所を同時監視したい現場でも導入しやすい構成となっています。
■IP65対応の堅牢設計
親機・子機ともにIP65相当の防水・防塵性能を備えており、屋外環境や粉塵の多い現場でも使用可能です。雨風の影響を受けやすい屋外設備監視や、過酷な産業環境にも対応しやすい設計となっています。
■CSV保存によるデータ管理
付属ソフトでは、温度データをCSV形式で保存できます。
温度履歴の記録や異常発生時の分析、報告資料作成などにも活用でき、単なる監視だけでなく“データ管理”にも役立ちます。
■異常警報機能を搭載
設定温度を超えた際や電池電圧低下時には警報を出すことができ、異常の早期発見につながります。遠隔監視と組み合わせることで、現場巡回だけに頼らない安全管理体制を構築できます。
■GPSオプションにも対応
屋外で利用する場合には、GPSオプションによって子機の位置情報表示も可能です。
広いヤードや複数エリアにセンサーを設置する現場でも、どこで異常が発生しているかを把握しやすくなります。
■「簡単導入」と「遠隔監視」を両立
WTMは
・配線不要
・電池駆動
・長距離通信
・屋外対応
・多点監視
を実現したシステムであり、温度監視の導入ハードルを大きく下げられる点が特長です。
「広い現場を効率よく監視したい」「巡回負担を減らしたい」「自然発火リスク対策を強化したい」
といった現場に適した温度監視システムと言えます。